2026年1月25日日曜日

【DBスペシャリスト】結合アルゴリズムの最適解は?Oracle・Postgres・MySQLの挙動まで徹底解説

 データベースを扱う上で避けて通れないのが「テーブル結合(JOIN)」です。SQLを書けば結果は同じですが、データベースの内部では「どうやって結合するか」というアルゴリズムの選択が、処理速度を100倍、1000倍と変えてしまいます。

今回は、情報処理技術者試験(データベーススペシャリスト)の頻出問題から、実務で役立つ現場のノウハウまでを一気に解説します。




1. 今日のクイズ:このアルゴリズムの名前は?


問題

データベースにおける2つの表の結合のうち、ソートを行ったのちマージを行う方法は、次のうちどれか?

(ア) 入れ子ループ法(Nested Loop Join)

(イ) ルールベース法

(ウ) コストベース法

(エ) ソートマージ法(Sort Merge Join)

正解: (エ)ソートマージ法




2. 主要な3つの結合アルゴリズム


試験や実務で登場する結合方法は、主に以下の3つです。それぞれに得意・不得意があります。

① 入れ子ループ法(Nested Loop Join)


プログラミングの「2重ループ」と同じ動きです。外側の表から1行取り出し、内側の表を全スキャンして一致を探します。

  • 得意: 抽出結果が少量の場合。

  • ポイント: 内側の表の結合キーにインデックスがあれば爆速になります。

② ソートマージ法(Sort Merge Join)


今回の正解。結合キーで両方の表を事前にソートし、端から順にマージします。

  • 得意: 大量データの結合。

  • ポイント: インデックスがなくても動作しますが、ソートのためのCPU負荷がかかります。

③ ハッシュ結合(Hash Join)


片方の表からメモリ上に「ハッシュテーブル」を作成し、もう片方の表と突き合わせます。

  • 得意: 大量データ同士の等価結合

  • ポイント: メモリ(ワークエリア)を大量に消費するため、不足するとディスクI/Oが発生して遅くなります。




3. 「データ量」がアルゴリズムを決める


なぜこれほど種類があるのか? それは返すデータ量によって最適な方法が異なるからです。

結合方法得意なデータ量インデックス備考
Nested Loop1件〜少量必須オンライン処理の基本
Sort Merge大量あれば尚可不等号結合(<, >)でも使える
Hash Join大量不要等価結合(=)のみ。バッチ処理向け


4. DBが「気に入らない動き」をした時の介入術


通常、DBは「統計情報」を元に自動で最適な計画を立てますが、稀に判断を誤ります。その際、エンジニアが介入する方法は製品ごとに異なります。

  • Oracle:ヒント句

    SQL文に直接 /*+ USE_NL(a b) */ と書き込み、「この方法でやれ」と強制します。非常に強力です。

  • PostgreSQL:パラメータ制御

    標準ではヒント句を使いません。SET enable_mergejoin = off; のように、特定のアルゴリズムを無効化して、消去法で別の道を選ばせます。

  • MySQL:インデックスヒント

    USE INDEX (col_index) を指定して、特定のインデックスを使わせることで、間接的にアルゴリズムを誘導します。




5. 見習いエンジニアの考察


「SQLの結果が合っていればOK」というのは、まだ入り口。その裏側でDBが「ソートしようか、ハッシュを作ろうか」と悩んでいるプロセスを知ることで、初めて「重いクエリ」に対処できるようになります。




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